「投資は怖いから、貯金だけでいい」「投資はギャンブルのようで怖い」と思っていませんか?しかし物価が上昇したり、低金利が続いたりするいま、貯蓄だけではお金の価値を守り切れないリスクがあります。そこで、貯金と投資の違いや、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説しながら、無理なく取り入れられるバランスの取り方をご紹介します。
貯金と投資の違いは?

まず、「貯金」と「投資」の違いを簡単に整理してみましょう。
貯金は、銀行口座や定期預金などでお金を安全に保管すること。元本が保証されているので、減る心配がないのが大きな特徴です。ただし、金利が低いため、大きく増やすことは難しく、物価が上がると実質的な価値が目減りするリスクがあります。
一方で投資は、お金を増やすことを目的に運用する方法です。株式や投資信託などが代表的な例ですが、元本保証がないためリスクがあります。その代わり、長期的には貯蓄よりも高いリターンが期待できる可能性があります。
つまり、貯金は「守る」、投資は「育てる」という役割を持っているのです。
項目 | 貯金 | 投資 |
---|---|---|
元本保証 | あり | なし |
リターン | 少ない(低利率) | 高い可能性(リスクあり) |
流動性 | 高い(すぐ引き出せる) | 中~低(売却や手続き必要) |
リスク | 非常に低い | 中~高 |
貯金のメリットとデメリット
貯金とは、お金を銀行などに預けて安全に保管する方法です。特別な知識がなくてもすぐに始められるため、多くの人にとって馴染み深い手段ですがそのメリットとデメリットを再度確認しておきましょう。
貯金のメリット
- 安全性:元本保証があり、お金を失うリスクがない
- 流動性:必要な時にすぐ引き出せる
- シンプルさ:特別な知識や準備が不要
貯蓄の最大の魅力は「安全性」です。元本保証があり、預けたお金が減る心配はありません。また、急な出費があった場合でもすぐに引き出せる流動性の高さも特徴です。普通預金ならATMでいつでも現金化できるので、予期せぬ事態にも対応しやすいでしょう。
貯金のデメリット
- 増えにくさ:低金利のため、ほぼ増えない。
- インフレへの弱さ:物価上昇により、お金の実質的な価値が目減りする。
- 長期的な資産形成には不向き:老後資金など大きな目標には力不足。
一方で、貯金には「増えにくさ」という弱点があります。現在の日本では低金利が続いているため、銀行に預けても利息はほとんど期待できません。また、現在物価が上昇しているインフレですが、こういう時には、お金の価値が目減りするリスクもあります。
投資のメリットとデメリット
投資とは、株式や投資信託などにお金を運用して増やす方法です。貯蓄とは異なり、リスクを取ることで高いリターンを目指します。
投資のメリット
- 成長性:長期的には複利効果で大きなリターンを期待できる。
- インフレ対策:物価上昇時でもお金の価値を守れる可能性。
- 多様性:株式、債券、不動産など多くの商品から選べる。
投資の最大の魅力は「お金を増やせる可能性」です。長期的に運用すれば複利効果も期待でき、元本以上に大きく増えることがあります。
例えば、年利3%の商品に毎月3万円ずつ積み立てた場合、30年後には約1750万円になる計算です(元本は1080万円)。
また、配当金や株主優待など、運用中にも収益を得られる商品もあります。
さらに、投資はインフレ対策としても有効です。物価が上昇しても、お金自体が増える可能性があるため、実質的な価値を維持しやすくなります。
投資のデメリット
- リスク:元本割れする可能性がある。
- 知識や準備が必要:商品選びや市場動向について学ぶ必要がある。
- 流動性の低さ:現金化までに手間や時間がかかる場合もある。
ただし、投資には「リスク」が伴います。
市場価格の変動によって元本割れする可能性があり、一時的に大きな損失が出ることもあります。
また、商品によっては専門的な知識や情報収集が必要であり、「何から始めればいいかわからない」と感じる人も多いでしょう。
投資初心者でも安心!少額から始める方法

「投資は怖い」と感じる人には、少額から始められる積立型の投資信託がおすすめです。たとえば、「つみたてNISA」では月100円からでも積立可能で、税制優遇も受けられます。
また、インデックスファンド(市場全体に連動する商品)は手数料が低く、初心者でも取り組みやすい選択肢です。
さらに、「分散投資」もリスク軽減には欠かせません。株式だけでなく債券や不動産など異なる種類の商品を組み合わせたり、日本国内だけでなく海外にも目を向けたりすることで、一つの商品が値下がりしても他の商品でカバーできる仕組みを作れます。
退職金を「すすめられるまま」に一括投資するのは危険!まずは金額と割合を考えよう

退職金を受け取ったとき、銀行や証券会社の担当者から「この商品に投資すれば効率よく増やせますよ」と勧められることがあるかもしれません。まとまったお金を手にしたことで、「これを機にお金を増やしたい」と思うのは自然なことです。
しかし、退職金をすすめられるままに一括で投資するのは非常にリスクが高い行動であることを認識しなければなりません。
投資を始める前に、まずは冷静になり、「どれくらい投資に回すべきか」を考えましょう。


投資割合を考えることがなぜ重要なのか?
退職金もふくめて、老後の資産運用で最も重要なのは、「どれだけの金額を安全な貯金として残し、どれだけを投資に回すか」という割合を決めることです。この割合次第で、老後の安心感と運用効果が大きく変わってきます。
投資割合の決め方:自分自身の状況から考える
投資割合を決める際には、自分自身の生活状況やリスク許容度をしっかり見極めましょう。以下のポイントを参考にしてみてください。
生活費や緊急時のお金を確保する
まずは当面必要な生活費(半年~1年分)と医療費など緊急時用のお金を確保します。この部分は普通預金や定期預金など、安全性の高い商品で管理します。
余剰資金だけを運用する
上記以外のお金について、「どれくらいリスクが取れるか」を考えながら、投資額を設定します。一般的には「100-自分の年齢=リスク資産割合」という計算式も参考になります。
たとえば60歳の場合、40%(2000万円なら800万円)がリスク資産として適切な目安となります。
目的と期間によって配分を調整する
老後資金として長期的に運用したい場合は、株式や投資信託など成長性のある商品への配分比率を高めます。一方、安全性重視なら債券や国債など安定型商品への配分比率を増やします。
分散投資でリスク軽減
リスク軽減のためにはリスク分散がいい、という話をきいたことがあるのではないでしょうか。
投資は、一括投資ではなく、「分散投資」を取り入れることでリスクを抑えることができます。「分散」といっても、いろいろと分散させる方法はありますが、主なものは下記のとおりです。
- 時間分散:毎月一定額ずつ積み立てる「積立型投信」を活用し、高値掴みのリスクを避けます。
- 商品分散:株式、債券、不動産(REIT)、現物(金など)など複数の商品に分けて運用します。
- 地域分散:国内外の商品に分散させることで、一国経済への依存度を下げます。
自分がどれだけリスクをとれるのか、安定性を求めるのか、利益を追求するのかなどで配分はかわります。たとえば「国内債券40%・外国債券30%・国内株式20%・外国株式10%」と言った具合です。
金融機関から勧められる商品には、高い手数料や自分には不向きなリスク商品が含まれている場合もあります。「この商品がおすすめです」「今が買い時です」と言われても、それだけで判断せず、自分自身で納得できるまで調べることが大切です。
まとめ:まずは「貯金」と「投資」の割合から考えよう
退職金は老後生活の基盤となる大切なお金です。その全額を一括で投資するような行動は避け、まずは「貯金70%:投資30%」など、自分自身に合った割合からスタートしましょう。そして、少額ずつ積み立てながら市場や商品の仕組みに慣れていくことで、大きな損失リスクを避けつつ、お金との付き合い方にも自信が持てるようになります。
一気にまとめて投資したりせずに、焦らず慎重に進めることで、大切なお金と安心した老後生活の両方を守ることができます。「すすめられるまま」ではなく、自分自身で考えた割合こそが、未来への最善策。このサイトでは、初心者向けに情報をまとめていきますので、投資について、一緒に勉強しましょう!