「老後2000万円問題」がニュースで取り上げられて以来、多くの方が老後の資金について不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。定期預金の金利が0.125%程度という今の時代、貯金だけでは資産を増やすことが難しくなっています。
でも、ご安心ください。60代からでも、少しずつ始められる投資の方法があります。今回は、投資初心者の方が知っておくべき3つの基本ルールをご紹介します。
貯蓄と投資のバランスを整える
まずは大原則として覚えておいていただきたいのが、「貯蓄と投資のバランス」です。現在あるお金を、まずは3つに分けることから考えてみるとよいでしょう。
- 生活ストック資金
- 生活費の3~6ヶ月分
- 予期せぬ出費に備えた緊急預金
- 安心資金(安全性重視の貯蓄)
- 定期預金
- 郵便貯金
- 生活費の1年分程度
- 育てる資金(投資)
- 余裕資金の運用
- 老後の収入を増やすための資産形成
リスクを抑えた投資から始める
初めての投資では、安全性の高いものから検討することをお勧めします。比較的安全性が高いと言われている投資は下記のとおりです。
1. 債券投資
- 概要: 国や企業が発行する債券に投資し、利息収入を得る方法。
- メリット: 元本が比較的安定しており、利回りが事前に分かるため計画的な運用が可能。
- 例: 個人向け国債(変動10年型)、外貨建て社債など。
2. 投資信託(バランス型ファンド)
- 概要: 株式、債券、不動産(REIT)など複数の資産に分散投資する商品。
- メリット: 分散投資によってリスクを軽減。プロが運用するため初心者でも安心。
- おすすめ例: リスクコントロール型ファンド(市場状況に応じて資産配分を調整)
3. つみたてNISA
- 概要: 少額から始められる非課税制度で、長期的な積立運用が可能。
- メリット: 運用益が非課税。月1,000円からでも始められるためリスクが限定的。
- 対象商品: 厳選されたインデックスファンドやバランスファンド
4. 不動産投資信託(REIT)
- 概要: 不動産に間接的に投資する金融商品。
- メリット: 少額から不動産市場にアクセス可能で、安定した分配金収入が期待できる
5. 金(ゴールド)投資
- 概要: 金地金や金ETFなどに投資する方法。
- メリット: 安全資産とされ、市場の混乱時でも価値が下がりにくい
6. ドルコスト平均法を活用した積立投資
- 概要: 一定額を定期的に積み立てることで購入価格を平均化する手法。
- メリット: 市場の値動きに左右されず、リスクを軽減できる。特につみたてNISAや投資信託と相性が良い
注意点とアドバイス
- リスクを抑えるためには、「長期・積立・分散」の3つの基本ルールを守ることが重要です。
- 余裕資金で始めることを心掛け、大きな損失につながらない範囲で運用しましょう。
- 手数料や信託報酬などのコストも確認し、運用効率の良い商品を選ぶことも大切です。
これらの方法は初心者でも取り組みやすく、リスクを抑えながら資産形成を進めるのに役立ちます。自分の目的や状況に合わせて最適な選択肢を見つけましょう。
無理のない金額から始める
投資は決して「全財産を投資に回す」必要はありません。以下のような具体的な目安を参考にしてください
- 毎月の投資金額の目安
- 余裕資金の5~10%程度
- 例)月々の余裕資金が5万円ある場合 → 2,500円~5,000円から始める
- 投資総額の目安
- 全金融資産の20~30%程度
- 例)金融資産2,000万円の場合 → 400~600万円を上限に考える
まとめ:60代からの投資で大切なこと
- 急いで大きなリターンを求めすぎない
- 少額からコツコツと始める
- 投資先は分散させる
- 定期的に資産配分を見直す
投資は決して難しいものではありません。ご自身の生活スタイルやニーズに合わせて、無理のない範囲で始めることが大切です。まずは投資信託や積立NISAなど、初心者向けの商品から検討してみてはいかがでしょうか。